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2007/03/31

迷いの森

ぼくは鳥。

かの日にぼくを空へ誘ってくれた彼とはぐれ、どれくらいが過ぎただろう。
ぼくはずっと飛び続けている。

彼を見つけられないのは夜だからだと気づいた。
ぼくは朝を待つことにした。
だけど暗闇のせいで、1晩羽を休ませられそうな宿木も見つけられない。
ぼくは飛び続けるしかなかった。
ぶつかりながら。
暗闇の中を。

ふいに薄明かりが見えた。
細く射し込むぼんやりとした光。
「木洩れ日・・・?」

光に近づいて、やっとわかった。
ここは深い森。
日も差さないほどに木々が重なり合い、同じような景色が方向感覚を狂わせる。
1度入ったら出られないと言われる・・・迷いの森。

ぼくは愕然とした。
真っ暗闇を飛んでいるうちに、迷いの森に入り込んでしまったんだ・・・。

力なく、ふらふらと飛んでいたら、ぼくは大きな木に正面からぶつかってしまった。
ぶつかった衝撃で、羽も動かせないまま、地に堕ちる感覚を覚えた。
・・・このまま、地面に叩きつけられるのかな・・・
そう思った直後、硬い地面とは違った、やわらかい感じのところに落ち着いたのがわかった。

「・・・なんだろう、ここ?」
ぼくが落ちたところは、葉が幾重にも重なっていた。
ぼくがぶつかった大きな木の、枝の上。
まるで、疲れ果てたぼくのために、用意されたベッドのよう。
ぼくはそのまま、眠りについた。

眠りながら、ぼくは考えた。
薄明かりが射したということは、朝がきたんだ。友だちが言ったように、朝がきた。
でもここは深い森。
ぼくが望むやさしい日の光は、森を抜けないと見られない。
・・・でもここは、迷いの森。
どうしたら、森から出られるんだろう・・・?
・・・入れたんだから、出られるよね?
真っ直ぐに行けば、きっといつか出られるよ。

目を覚ますと、幾重にも重なっていた葉が、みんななくなっていた。
「早く行け」と、木が訴えているようだった。
ぼくは、「ありがとう」とお礼を言って、飛び立った。

ぼくは、自分を信じて旅を続けるしかないんだ。
もう1度、やさしい日の光につつまれる日を夢見て。

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